概要
昨年1年間を通じて、我々はg0v.twにおいて、オンラインとオフラインのアクティビズムを連携させる手法を実践してきた。 我々は、過去20年以上に渡り自由ソフトウェアのコミュニティによって確立されたモデルに従い、 完全にオープンで、脱中心化された文化と技術的フレームワークを用いることで、 ソーシャルメディアをソーシャルプロダクションのためのプラットフォームへと変容させた。はじめに
2012年、 ソーシャルメディアは台湾人の生活と不可分のものとなり、 ネット利用者のうち75%の人々がFacebookを使うようになった。 しかしながら、 既存のソーシャルメディアのポテンシャルが 市民のエンパワーメントを――あるいは市民の参加ですらも――引き起こせるかというと、 ネット市民はいまだ悲観的である。 作家の張大春(Chang Ta-Chuen)はこの断絶について、インタビューで次のように説明している。
Facebookは人々の政治参加を促すツールになると思われますか?
いいえ、そんなことは絶対に起きないと断言できます。 それは参加しているかのように感じさせるだけです。 […] アクチュアルな、実際に効果をもたらすようなアクティビズムと、私たちのような怠惰な人々とを結びつけるにはどうすればよいのか、私には未だに分かりません…
徐子涵(TH Schee)の分析によれば、問題は5点に集約される。
- 非営利組織のメディア露出が効果的でなく、積極的でなかった
- 個人は政策や政治に対して無力であると感じていた
- オンラインでの参加がオフラインでの行動やコラボレーションに変換されなかった
- オープンソースコミュニティが社会的な課題に関心を持っていなかった
- オフラインとオンラインのアクティビストの協力をジェネレーションギャップが妨げていた
本稿では、情報を持つネット市民による参加型の自治を目指す市民運動、g0v.twを紹介する。 2012年末、政府へのあまりの透明性の欠如に対する失望から、この1年間、私たちは以下のような貢献を今もなお続けている:
- ニュースヘルパー(§3.3)、国会大情勢(§4.1)といった参加型メディアチャンネルを構築したことにより、従来のメディアと連携することできた。(§4.2).
- 辞典 (§1.2)、 社会福祉ディレクトリ (§2.1)、 同時代史 (§2.3) といった決定的な成果物をクラウド(crowd)の力により制作することで、 我々自身を受動的な消費者(§0.2)から主体的で実行力を持つエージェントに変化させた。
- 定期的なハッカソンの開催 (§0.3) とソーシャルムーブメントの後方支援の提供(§3.2)により、 オンラインとオフラインのアクティビズムが混じり合った文化共有空間 (§4.3)を作り上げた。
- オープンソースの原則を手本としたソーシャルプロダクションのサイト構築(§1.1)により、 市民プロジェクトを学習とハックのための共同の舞台とした (§2.2)。
- 労働者の権利 (§1.3)や両岸サービス貿易協定問題(§4.3)といった社会的な課題に働きかけるための設計を行うことにより、 アクティビストによる継続的な対話や、社会的な気づきやオンラインでの合意形成の促進を形作った (§3.1)。
私たちの貢献の背後にある統一的発想はシンプルなものである: 「ハンズオン」や「オープンソース」、「公共性」に基づくアプローチを行うことで、 自由ソフトウェア、市民メディアとソーシャルアクティビズムのベスト・プラクティスを組み合わせて、情報透明性を取り巻く活発なコミュニティを作り上げるのだ。
背景: 2012年冬
「実価登録」事件
建売住宅のインフレが懸念される中、馬英九(Ma Ying-jeou)は 「居住正義」を2012年の再選を目指す基本政策の重要項目に掲げた。 疑惑に対抗し、 公平な税制を実現するための試みとして、 議会は全ての不動産取引における実際の価格を登録することを義務づける、超党派の法案「地政三法」を可決した。
その実現の一環として、内政部は人々が住所から取引レコードを検索できるウェブサイトを発注した。 10月16日に公開されたそのサイトは、 リクエストが溢れてアクセスできなくなり、10月中は断続的にしかアクセスできない状態が続いた。
公開から3日後、羅永杰、鄭依桓、蔡旭程、吳光哲というGoogle.twの4人のエンジニアからなるチームが内政部のデータを 彼らの「実勢価格登録地図」サイトに組み込み、 Google Maps上に大量のフィルタ項目を付与した価格情報をオーバーレイ表示するようにした。 このリミックスはたちまち成功を収め、毎秒数百のGoogle App Engineからのリクエストをスムーズに捌いた。
1週間後、行政院政務委員の張善政(Simon Chang)(彼も元Google社員である)がリミックスサイト制作チームを会議に招いた。チームは政府とどのようにコラボレーションしたいかという具体的な提案を行った。
しかしながら、 公式サイトの「100万ドルの災害」に対してチームの予算がわずか500新台湾ドルだったというセンセーショナルな報道の後、両者の関係はすぐに悪化した。 内政部はクローリングをサーバのダウンタイムの便利な言い訳として使い、政府のデータに対するスクレイピングとリミックスの合法性を疑問視しだした。
11月14日、公式サイトが変更され、住所は画像ファイルで提供されるようになり、クローラの負担は劇的に増大した。 最終的に技術力のあるハッカーがOCRを使い、解析データを公開したが、ここで消耗するのは誰の利益にもならないのは明らかだった。その後まもなく、民間版の実勢価格登録地図はクローズされた。
「経済パワーアッププラン」
政府による実価登録事件が終わらないうちに、 政府の製作した「経済パワーアッププランとは何か?」という40秒ほどの宣伝ビデオが注目を集めた。
具体的な情報は完全に欠落しているその動画は、以下の単調なリフレインを繰り返していた:「我々には複雑なプランがあるが、ここで説明するにはあまりに複雑すぎる。詳細は気にせず、指示に従って実行しよう!」
不信と嘲笑が広まる中、 ビデオは急速に広まり、 YouTubeの閲覧者はみな抗議のため「問題を報告する」ボタンをクリックするようになった。 自動化されたシステムは迅速に分類を行い、そのビデオを詐欺であるとし、 2日間ほどで政府のYouTubeアカウントは停止になった。
ビデオは10月19日に再び掲載された。これはYahoo Open Hack Day 2012の前日であった。このイベントは毎年開催される、24時間に64チームが参加し作品を披露するものだった。 議論を呼んだ広告に怒りを覚えた「Hacker #15」チームのメンバー高嘉良(Chia-liang Kao)、吳泰輝(Kirby Wu)、陳學毅(Hsueh-Yi Chen)、郭嘉渝(Chia-Yu Kuo)の4人は、土壇場で「オンラインウィンドウショッピング」からピボットを行った。 商品を表示する代わりに、 税金がどのように使われているかを表す鳥瞰図を生成することを決めた。
最終成果の「予算地図」は、中央政府の各部門年間予算を金額に比例した大きさの幾何的図形で表現し、 参加者を招待して各項目の有用性を評価・採点できるようにした。 (パワーアップ広告のような)無駄な支出を抹消することを呼びかけ、 2分間のデモでHack Dayの賞金50,000新台湾ドルを手に入れることに成功した。
デモデイの参加者はこのようなプロジェクトをすぐ忘れてしまうものだが、 メンバーの高嘉良(CL Kao)はこのプロジェクトを維持するためのエレガントなハックを思いついた。 彼はキャッチーなドメイン名g0v.twを取得し、 市民による政府サイトのリミックス用に提供することにした。 実価地図はシャットダウンするまでlvr.land.moi.g0v.twで アクセスできるようになった。 これはまさに公式サイトであるlvr.land.moi.gov.twの1文字違いのものだった。 その一方、予算地図はbudget.g0v.twとして、g0v.twの創立プロジェクトとして動き続けている。
Hackath0n
新たなg0v.twドメインを取得したことにより、 4人のハッカーは賞金の50,000新台湾ドルを拠出し、 さらなる市民プロジェクトを集約するためのハッカソンを開催することに合意した。 参加者主導型イベントのBarCampをモデルとしたこのイベントは、 「第0回動員戡乱ハッカソン」と命名された。これは、国共内戦時における政府への反抗のイメージを想起させる名前である。
熱心な参加者により当初予定していた会場はすぐに定員を超えた。 幸いなことに、 中央研究院のMMNet実験室のディレクターが情報科学研究所を会場として提供することを申し出た。 12月1日、市民ハッカーが80人定員の講堂を埋め、 議会、入札、地理、気象、電気、医療、その他幅広い分野をカバーするプロジェクトを提示した。 終日のイベントが終わったあとも、 活発な議論はネットに舞台を移し、Hackpadと IRCで続けられた。
コーディングの努力をサポートするべく、 ライターやブロガーはFacebookグループ「文案配送センター(copywriting on demand)」を作成し、 支援を求めるプロジェクトにスキルの提供を申し出た。 デザイナーの吳逸文(Even Wu)も「デザイン配送センター(design on demand)」グループを作成し、 ハッカーたちに視覚素材を提供した。
その場しのぎのロゴバナーに不満を感じていた吳は、ロゴタイプ作成のイテレーションを何度か繰り返し、 最終的に視覚的アイデンティティガイドライン一式を完成させた。 これはg0vを容易に認識可能なブランドへと進化させた。
2013 Q1
インフラの構築
新たなプロジェクトがオンラインで継続するようになると、g0vに参加しているライターやデザイナーたちは、 ブックマークの共有やタスクの管理といったFacebookグループでは基本的な機能が足りていないことに気づいた。 とはいえ、 Git、IRC、Wikiといったオープンソースソフトウェア開発に広く使われているツールは非プログラマの参加者にとってはハードルの高いものだった。
この問題に対処するため、 2013年1月、我々はオンラインプロジェクトと対面イベントへの共通の入り口となるhack.g0v.twを立ち上げた。 これは共同作業のための空間を凝集させた、様々なツールを組み合わせたものとなった。
- Hackfoldrはプロジェクトに関連するリンクをすべて複数階層のブックマークに統合した
- EtherCalcはHackFoldrのニーズに対応したAPIを備えた、マルチユーザに対応したスケーラブルなスプレッドシートを提供した
- 会員名簿は参加者が互いの参加するプロジェクト、課題、スキルと興味を閲覧できるようにした
- プロジェクトリストは新規の貢献者に手軽な大きさのタスクを知ることができる、各プロジェクトの問い合わせ情報を一覧できるようにした
- Web Chatは日々の活動記録を個別のURLつきで残せるようにし、新規ユーザにwebベースのチャットを通してIRCを提供した
プロジェクトと参加者の多様な性質のせいもあり、 厳格で規範的な構造(「タクソノミー」)ではなく軽量で便宜的な構造(「タグ」)が強く好まれた。
また、我々の活動の多くが対面で行われたため、 版管理のある、遠距離のコラボレーションツール(例: Wikiやメーリングリスト)よりもリアルタイムの文書共有が好まれた(例: HackpadやEtherCalc)。
我々の言語の再生
2012年のイベントの顕著な成功は更なるイベントを促した。 翌年1月27日、「第1回公地放領ハッカソン」が台北・台中・高雄の3都市で開催され、100名ほどのオンサイトのハッカーと、それを上回るオンラインの参加者を引きつけた。
オンラインでの参加者の一人に葉平(Ping Yeh)がいた。彼は長年に渡るオープンソースの支持者であり、2011年にアメリカに移住した。 ハッカソンの前夜に投稿したブログで、 彼はg0vハッカーに対し、 「重編国語辞典修訂本」を、 教育部の古めかしいウェブサイトから「全文検索機能を持ち、個人でも企業でも自由に使うことができるオープンなAPI」として解放するよう呼びかけた。
16万件以上の語彙と、豊富な語源、そして古典文献の引用からなる「教育部国語辞典(MoE Dictionary)」は、 1945年に初めて出版されて以来、正体中国語の権威ある定義となっていた。 そのデジタル版のみの改訂版の「重編国語辞典修訂本」は1996年にWebサイトとして公開され、過去17年間で—ほぼ更新もないのにも関わらず—約2億もの訪問者を惹きつけている。
「改訂版教育部国語辞典」を固定URL、Unicode対応とモバイルデバイスからなるモダンWebの世界に持ち込めば何が起こるだろうか? Yehは、教育部は余計な邪魔をすることのない辞書データを提供し、どう表示するかは市民に委ねるべきだと主張した。教育部が行っているのはその反対で、再配布を明示的に禁じているため、Yehは自分で必要なデータ構造の設計を行い、市民ハッカーが「我々の言語の再生」のために辞書データをスクレイピングできるようになると約束した。
30名以上の参加者による(ハッカソンの間に作られた)「萌典(MoeDict)」チームは夜通し作業した。 翌日、チームはJSONとSQL形式の完全なデータを公開しただけではなく、 主だったプラットフォーム全てに対応したアプリとWebサイトのプロトタイプを公開した。 まだ記憶にあたらしい実価地図のクローズのこともあり、我々は著作権の問題を回避するための2段階の手法を用意した:
- 台湾著作権法の第50条に基づく政府の制作したデータのフェアユースであることを主張することで、 厳格な非営利原則に従い非侵害の立場をとった
- CC0 パブリックドメインの宣言を行い財産権を放棄することで、我々のあらゆる貢献を教育部がいつでも取り込めることを明確にした
数ヶ月間の審議の後、教育部は我々のフェアユースの主張に最終的に合意し、 彼らのCCラインセスとした「台湾閩南語語常用語辞典」と「客家語常用語辞典」を moedict.twの相互参照と他言語対応のプラットフォームへの 変換で我々と協力することとなった。 そのWebサイトは2013年末までに、毎月数百万のビジターとを10万人以上のモバイルアプリからのアクセスがあるまでになった。
求職ヘルパー
求職者にとって、雇用者が労働関係法令を遵守しているかどうかは重要である。 そのため、求職ヘルパーが公開された。
2011年6月の労働基本法の改正以来、 雇用者による労基法規定違反があれば市または県で公開されることとなった。 しかしながら、就職希望者がその情報を得るには、 その企業がどこの市や県で登記されているかを調べ、 そこの公式サイトのどこかにある、 PDFなど様々なフォーマットのファイルに分かれた関連する文書の目で探していく時間を費やさなければならなかった。 この厄介な作業のせいで、 その種の情報が労働局より定期的に公開されていることを多くの人々は気づいていなかった。
2013年1月、HTCが従業員に時間外労働手当の支払いを取りやめた際、 王向榮(Ronny Wang)は、従業員が会社から不十分な扱いを受けていないことへの不満から、「求職ヘルパー(求職小幫手)」プロジェクトを提案した。 「もし雇用主が労働基本法を破っているかどうかが求職中に知ることができれば、就職のリスクにより注意できるようになり、適切な給与に関してよりよく理解できるようになるでしょう。」(王)。
開発にあたり、最初に問題となったのは、著名な求職サイトにはどれも違反についての情報がないことだった。 そのため、ブラウザ拡張を制作しそれを活用することでこの問題を解決することにした。 ユーザは、Chrome Web Storeから「求職ヘルパー」のブラウザ拡張をインストールできる。この拡張を使うと、求職検索サイト上で雇用主のリストをチェックし、雇用主の違反の記録を取得できるようになる。この違反の情報は雇用主が掲載させた求人情報を閲覧している間、違反情報をポップアップで表示するようになっている。
これらの違反データはどのようにして収集するのか? この作業はデータクローリングに頼る以外の手段がなかった。王向榮(Ronny Wang)とGuo-Wei Su(nansenat16)は台湾の市や県の労働局が公開している様々な労基法違反の電子書類を解析し、文書ないの情報を統一された形式のデータベースレコードに自動でインポートするプログラムを書いた。
これまで、このプロジェクトに対してあらゆる努力を払った結果、 大きな成功を得ることができた。 現在までに、求職ヘルパーは3万4000人ものユーザを抱え、 104、1111、yes123、518やejobといった、台湾の有名求人サイトに対応した。 このChrome拡張は、Chrome Web Storeで5点満点中4.88点の星を獲得している。
2013 Q2
福利請聴(Listening to Welfare)
聴覚障害を持つ開発者の陳柏儒(Blue Chen)は、 幾重にもなる行政での壁に悩まされたり、あるいはいくつもの福祉関連法令を扱わなければいけないことから、 適切な福祉の手段や関連法規、救済パッケージを、自身の聴覚の状態を単に選択するだけで容易に見つけることができる、便利で使いやすい「聴覚障害福祉ポータル」を開発することを決意した。
陳がアイデアをhack.g0v.twに記録したところ、それが福祉ポータルブログ「病後人生(After That Day)」の管理者である羅佩琪(Peggy Lo)の目に止まった。 羅は自身のビジョンである「医療、福祉、葬儀に関するワンストップの情報サービス」が陳のそれに一致することに気づき、開発チームに志願した。
3月23日に開催された「第2回九大建設ハッカソン」にて、6人のメンバーが老人、子供、低所得世帯、障害者、退役軍人までスコープを拡大することを決めた。 さらに、行政のリソースに加え、地域NGOの提供する救済パッケージも追加することにした。
4ヶ月の開発期間の後、プロジェクトは新たな名前「福利請聴(Listening to Welfare)」と新たなモットー「社会の成功は裕福な人が得られる恩恵ではなく、最も弱い人々がどれだけ快適な生活を楽しめるかで測られる」を掲げ、7月に公開された。
NPOst.twなどの公益情報メディアによるフォローアップレポートが、このプロジェクトの影響範囲を拡大させており、続くハッカソンでの新しい福祉プロジェクトを後押ししている。
Open Source Developers’ Conference
2003年の最初のPerl/PHP/Pythonのクロスコミュニティのイベントから、OSDC.twは台湾における最も大きなオープンソース開発者コミュニティの年次イベントとなっている。この機会に、g0v.twは、技術面と運用方針面の双方についての組織的アプローチの概要を紹介する2つのキーノートスピーチを発表した。
「PgREST — Node.js in the Database」の発表では、唐鳳(Audrey Tang)が萌典の開発プロセスを例示して、 「分散データベース、スプレッドシート、共同編集ドキュメント、フロントエンド、バックエンド、そしてモバイルアプリケーション開発」を統一し、同一のツールを使うことで専門家ではないウェブ開発者の参入障壁を大きく低減させる「フルスタックの、ミドルウェアを使わない」パラダイムを紹介した。
吳泰輝(Kirby Wu)による「g0v Hackathons – Coding a better society」は、3つの運用コンセプトを提唱した:
- 脱中心化: 各プロジェクトは独立しており、誰もg0v.twを代表しない。
- 透明性: 政府のデータを簡単に扱える形にして提供することで、改善のための具体的な提案と同様、市民の意識を促進する
- オープンソース: 全てのプロジェクトをオープンソースまたはクリエイティコモンズライセンスでリリースすることで、コミュニティの参加者が他のプロジェクトにも応用できるようにする。
この発表の結論として、スピーカーは二人とも「待機政府(standby government)」アプローチを支持した。 これは政府の活動を批判するのではなく、 我々はより良い代替のデモンストレーションするための「パッチ」を作ることでビションを共有し、 公共部門に実効的な変化をもたらすものである。 この精神はg0v.twと行政機関の連携のための基本的な指針となった。
怒りから事実へ
例えばあなたが、 ある事件についての 詳細な歴史を紹介したWebサイトを発見したとしよう。 しかし、その情報の豊富さは単なる見せかけだけのものでしかなく、 その目的は富める組織が自身の誤った活動を正当化するものだった。 そこで語られる歴史は美しいものかもしれないが、 一面的なものにすぎず、他の情報源からの声はかき消されてしまっている。 この見掛け倒しの代物は 我々の住む世界に害をなし、伝統的な文化は軽視されてしまっている。 もしあなたがWebプログラマなら、そのような組織を軽蔑し、我々の社会に哀悼の意を示す以外に、どんな行動に出るだろうか?
そんな嘆かわしい状況こそが、黃雋(Jimmy Huang)に fact.g0v.twを開発させた。 これは単純なタイムライン上に事件を並べていくことで、複雑な情報を表現できるようにしたものである。 これは「組織版」の情報に対抗できるよう、市民に真実を見出す機会を提供するものである。
「Fact(政誌) 」の当初のコードネームは「Angry Politics(怒政)」だった。 これは我々の現在の政治状況に対する怒りを表したものだった。 しかし、怒りのイメージは長期的には市民にあまり魅力的でないことにすぐに気づいたため、 より適切な名前として、中国語で“politics” (政治)と同音異義語である 「政誌(Political diary)」を考え出した。
この「政誌」により、人々が権利のための闘いに努力と情熱を捧げてきた、我々自身の歴史を記憶し続けることを期待している。 結果がどうなるにせよ、多くの物事が進行中であり、それらはみな継続的に注意を引くに価するものである。
「政誌」にあるデータはWikipediaから収集、整理し配置されたものである。 歴史上のデータを蓄積することに加えて、このサイトはWikipediaの編集可能なデータを反映し、 人々が今記録されつつある「政誌」に参加できるようにしている。
8月の開設から今までに21名の参加者が「政誌」の開発とサイトの編集に携わっており、 その内容は数えきれないほどのWikipedianの貢献によるものである。 「政誌」のホットなトピックは、同性婚や九月政争、大統食用油事件、 「白シャツ軍」運動、大埔事件、第4原発国民投票、日月光の廃水、毒でんぷん事件などで、 台湾で話題となった重大な事件が含まれている。
多くの事件は今なお重要な事件であるが、 メディアや市民が忘れやすいため、下火になりつつあるように見える。 「政誌」が正しく機能するにはエンジニアだけでなく一般人も必要としている。 それは確かなデータと同時に、人々の心の中にある信頼できる語りを引き出し、記述し、Wikipediaに記録する必要があるためである。そうすれば、我々は台湾に起きた全ての事柄を忘れずにいることができるようになる。
2013 Q3
動民主 (Dynamic Democracy)
我々は台湾で起きている事件への関心だけではなく、 アイスランドの憲法を巡る国民投票、 フィンランドのクラウドソーシングによる法律制定、 イタリアの五つ星運動、 ドイツの海賊党や、その他類似の先行事例などの、ヨーロッパで急速に高まりつつある民主的な活動にも影響を受けている。 g0v.twがより優れた情報透明性のために政府との連携を続けるにあたり、 これらの活動はオンラインコミュニティにおける知識の集約と市民の明確な根拠とその公共政策を具体化する可能性を示している。
その結果、 g0v.twのメンバーは オンラインでの政策形成システム Liquid Feedbackのローカライズを行い、動民主 (Dynamic Democracy)と名づけた。その最初の試みは6月8日に開催した「第3回客廳工廠ハッカソン」にて行われた。 そこではハッカソンにおけるベストなプロジェクトを決定するための優先的な投票方式を実装した。さらに、人気のあるCOSCUP参加チケット4枚が賞品として用意された。
6月の終わりに、動民主チームのメンバーはドイツとイタリアの海賊党の代表者とのオンラインミーティングを開催した。 我々は現在の投票プラットフォームを拡張し、 事前の闘技と事後の活動のトラッキングの機能をシステムに組み込むことを決定した。 これにより、市民による政策団体とのネット上でのコラボレーションのための「オンライン意思決定基盤システム(Basisentscheid Online)」が実現することになる。
いったん我々がシステムの設計に同意した後では、 説得力のあるインタフェースを考えだすことが、次の優先事項となった。 デザイナーの藍一婷(ET Blue)は投票システムの作り直しから始め、 次第に市民の権利のイニシアティブのための3段階からなるプラットフォームのアーキテクチャの設計へと移っていった。
- 課題: 市民グループは、課題とその解決案の計画を合わせて提示する。これらはその後参加者により徹底的に議論され、系統的に洗練させられる。
- 提案: 合意のとれた課題について、政策や法案の修正などの解決方法を計画し、その後表決を行う。
- プロジェクト: 様々な提案について現在実装している作業の進捗を可視化し、市民の参加者が力を貸すことのできる部分を目立たせる
市民グループや政治団体、公職参選人、独立系メディアなど広範囲に渡り、要件をとりまとめる話し合いを行った後、2013年の終わり頃から新たな「動民主 2.0」システムの開発が本格的に始められた。
COSCUP × 1985
COSCUPは台湾のオープンソース利用者、推進者、開発者たちの、もっとも人気のある年次カンファレンスである。このイベントは2013年8月に、国際カンファレンスセンターにて、「Open x [Web, Mobile, Data]」をメインテーマとして開催され、合計1,800名もの参加者が一堂に会した。8つのトラックが並行して行われるなか、コミュニティトラックとしてg0v.twによる7つのプレゼンテーションが行われた。これは我々のインフラ、萌典、求職ヘルパー、福利請聴、予算地図などについての発表だった。
カンファレンスは8月3日、オープンデータに関するパネルディスカッションで始まった。 モデレータは葉平(Ping Yeh)が行い、自称「産・官・学・ヲタ4分野代表」の Hope Bay Technologyファウンダーでもある翟本喬(Ben Jai)、 政務委員の張善政(Simon Chang)、 Creative Commons Taiwan幹事の莊庭瑞(Tyng-Ruey Chuang)、 そしてg0v.twから高嘉良(CL Kao)の4名が登壇した。 4名は政府とコミュニティはどのように交流するべきかについて意見交換を行い、 「コミュニティからのリクエストは、 政府がどのデータが価値を持つかを判断するための唯一の手段である」という合意を得た。
COSCUPでは以前からの慣例として、様々なコミュニティによるBirds of a Feather(BoF)が初日の夕方に開催されている。 g0v.tw BoFも「政府の解体と再構築」をスローガンとして、Ketagalan Boulevardにて開催された。 参加者は白い服を着て、公民1985行動連盟(Citizen 1985)主催の、洪仲丘(Hung Chung-chiu)伍長の死亡事件に対して250,000人が参加した平和的な抗議デモに参加した。
公民1985行動連盟とg0v.twはどちらもオンラインのコラボレーションとフェイス・トゥ・フェイスのミーティングを併せ持つ、草の根運動から出現した。 抗議に賛同して、我々は公民1985行動聯盟に対し、盗聴防止や分散ネットワーク暗号化技術の提供といったソフトウェア面での協力を申し出た。 2つのグループは最終的に、議会の監視プロジェクトを共同で行うための「公民覚醒連盟」を10月に立ち上げることで、正式にコラボレーションを行うこととなった。
8月4日のカンファレンス終了直前に用意された5分間のLTセッションは、例年COSCUPのハイライトとなっている。 LTスピーカーの一人である林雨蒼(Zhe-Wei Lin)は、陳信屹(Hsin-Yi Chen)が立ち上げた長期にわたるプロジェクト「Kuansim」を紹介するにあたり、 「政府の脱線は市民による監督不行き届きに由来する」と述べ、オープンソースコミュニティの人々に対しg0v.twへの参加を呼びかけた。
PTT BBSにその発言が掲載されると、ネット市民からの熱狂的なサポートと「公民社会運動の次の武器」「+9 公民の眼」といった賞賛を得た。 これにより、g0v.tw IRCチャットルームn流量は急激に3倍ほど増加し、 延べ500名以上のユーザが参加するほどになった。 また、我々のFacebookページのLikeは同月のうちに10,000件を突破した。
ニュースヘルパー
圧倒的な反響を受けて、 8月10日の「第4回国民大会ハッカソン」には30名ほどの参加者枠を追加し、 合計111名の参加者があった。 この大会には多くの初参加者があっただけではなく、 たとえばオンライン里親探しサイトのPetneed.me、 両岸サービス貿易協定被災地図、 発電コスト計算機、 リアルタイム降雨可視化などの10以上の新傾向のサイトを含む、 より広い分野にわたるトピックをカバーするものとなった。
新規プロジェクトの中では、 王向榮(Ronny Wang)の提案した「ニュースヘルパー(新聞小幫手, News Helper)」が最も大きく進展した。 フロントエンド開発、バックエンド開発、ブラウザ拡張、UXデザイン、データ収集、フィードバックメカニズムなどにまたがる10人のハッカーからなるチームにより、 プロジェクトは8月19日に公開され、あっという間に1万人を超えるユーザを獲得した。
このプロジェクトの発端は、台湾のネットにおけるデマ情報の流行だった。 主流メディアは、「古代文明は月探査を行っていた」「北朝鮮は太陽に着陸していた」「北京ではスモッグのおかげでニセの日の出をビデオスクリーンに上映してた」などといった、誤ったニュースをその妥当性を事前にチェックせずに公開していた。 ソーシャルメディアの情報は短期間にしか注目されないため、 ニュースの情報源が後でその情報を訂正または削除しても、ほとんどの人々は気づかなかった。
この問題に対処するため、 「ニュースヘルパー」のブラウザ拡張は、ユーザが誤ったニュースレポートを表示すると、「注意!あなたは偽ニュースの被害者になるかもしれません」といった自動的に警告を――エビデンス付きの正しい情報へのリンクとともに――表示するよう設計されている。 それに加えて、それまでに掲載されたニュースストーリーに間違いが見つかった時には、「あなたが10分前に読んだニュースには誤りが含まれています」というリマインダがポップアップするようになっている。
ユーザに対して誤りの指摘を促すため、ブラウザ拡張は「ニュースヘルパーに報告する」というボタンがFacebookの「シェア」のボタンの横に追加する。 このワンクリック報告システムは、 オンラインのニュースストーリーを検証する簡単なツールを提供し、 わずかな時間の貢献でメディアの品質の改善にたどり着くための長い道のりを行くという原則に基づく、参加型のコラボレーション文化を促進することで、 ネットのデマをソーシャルメディアが拡散する傾向を効果的に修正するものとなった。
2013 Q4
国会大情勢
g0v.tw立法院プロジェクト(ly.g0v.tw)は2012年11月に開始された、今のところ最も長期間に渡るプロジェクトである。現在までに、40人ほどの人々が開発に参加している。
台湾の立法院は毎日のように様々な文書(公報、議事録、会議紀要、委員会行程、議事日程、議案関係文書、議案、質疑、法律案)を、Word、PDF、HTML等の形式で4つのオンラインシステムを通して生産している。しかしながら、プログラムで処理可能な構造化データは存在しない。
2013年1月の「公報リーダ」開始から、 プロジェクトチームは「投票結果一覧」「議案比較」「審議予報」 といった試験的アプリケーションを次々と制作した。 8月中旬には、 「立法委員投票ガイド」サイトの作者、駱勁成(Johnny Luo)が開発チームに加わり、 サイトのソースコードをCC0としてパブリックドメインに寄贈した。
テキストデータの整理とJSONフォーマットの公開インタフェース構築がほぼ完了した後、チームは音声と動画データの作業に移った。議会のIVODシステムはIEのみしかサポートされておらず、音声データは3年後に削除される可能性があった。2013年8月から、 公民監督国会連盟(Citizen Congress Watch initiative)と合同で、議会中継動画をYouTubeチャンネルに自動でアップロードするようにし、議事過程を容易に保存・シェアしやすくし、さらに議事の特定のタイミングでユーザがリンクできるようにした。
このような成果をうけて、 10月20に開催された「第5回美麗島ハッカソン」において、 「立院映画館(Congress Cinema)」の構想が提案された。 利用者が好きな議事の閲覧を選択できたり、 リアルタイムでの議論を行えるようにするといった 群衆参加の要素を付け加えることにより、 議会のモニタリングを簡単でたのしく行えるようにした。 実装は11月3日のYahoo Hack Taiwanの間に完成し、 さらに抗議のために靴を投げたり、 議員にバーチャルな花を送ったりする インタラクティブなジェスチャーが追加された。 このプロジェクトはBest Popularity Awardを受賞しただけではなく、 台湾内外の中華圏メディアから広く注目を集めることとなった。
公開後1週間も立たずに、立院映画館は数万件のアクセスがあった。 チームは速やかに、議案、議会スケジュール、国会質疑、公聴会、議員プロフィールといったものと合わせて、 見た目も素晴らしくモバイルにも対応させた上で、 「国会大情勢(Congress Matters)」と命名したサイトに統合した。 その中でも「法案改訂対照表」は、 12月に婚姻平等化修正案が議論を巻き起こした際、参考資料として盛んに引用された。
メディア連携
我々の脱中心化の方針により、g0v.twを代表するスポークスマンはいない。 これは伝統的なメディアの習慣になく、 難しい調整を必要とした。 我々は全てのイベントについて、 その音声と動画による完全な記録をとり、合わせてその文字起こしも行ったにも関わらず、 ジャーナリストたちは生の情報を得るために、プロジェクトの首謀者とコンタクトをとる必要性を感じていたようだった。
2013年の終わり頃、立院映画館が主流メディアの注目を集めるにおいて、 レポーターが彼らの期日までに誰にもインタビューできないという問題が増加した。 そこで、我々は2つの策略を考案した:
- 我々はCommonWealth Magazine, Global Views Monthly, The Journalist, and Business Weekly等のメディアのレポーターをHackpadに招待し、聞きたいことについての質問と回答期限を記入してもらい、プロジェクトメンバーがオンラインで回頭し、さらにその後で、コミュニティメンバーにより、報道に適した平明で理解しやすい表現に編集する。 この方法は正しく引用されることを担保できるだけではなく、 追加報道のための豊富な材料を準備することにもなった。
- プロジェクトメンバーは、開発とコラボレーションのプロセスの経験を共有するため、 共同でプレスリリースを執筆する。 広報チームはそのリリースをブログやソーシャルメディア、あるいはCommonWealth Magazineなどのメディアパートナーのブログ上で公開する(今あなたが読んでいるこの記事もそのように共同で執筆した例の一つだ)。
文書や写真に加え、広報チームはオープンソース文化とそのコラボレーションの精神、 人々に我々の文化的背景についてのよりよい理解を得るために 一連のショートビデオを活発に制作した。
芸術と文化
第0回ハッカソンでの「デザイン配送センター」グループの活動開始より、 多くのデザイナーやアーティストがg0v.twに参加し、イラストやタイトル、アバターや視覚表現の制作を行った。
アウトプットが増えたことにより、8月初旬に配送センターグループは長期プロジェクト 「g0v.tw 文化省」に移行し、 12月21日に開催された「第6回労働基準ハッカソン」では、 CCライセンスによる成果物がリリースされた。 文化省プロジェクトは現在いくつかの小組織に分かれている:
- 美術館: プロジェクトへのアートワークを提供するかたわら、さまざまな民間グループと連携し、黒箱両岸サービス貿易協定といった活動へのイラストを制作することで、g0v.twの認知度を高める。
- 新聞局: リアルでの集会の間にリアルタイムの実況レポートを提供し、音声や動画の記録から書き起こしを行い、定期的な公報を発行する。
- 音楽班: SoundCloudやBlend.ioといったコラボレーションプラットフォームを使い、 コミュニティグループのために「伐木工(The Wood Cutter)」,「挖坑獸(The Digger)」「郷民関心你(Kuansim)」といった楽曲を制作する。
- 広報宣伝団:コミュニティグループへのインタビューや、オンラインのアンケート、ショートフィルムや記事の制作を行うことで、外部の協力を促進する
別の長期プロジェクトとして、「g0v.tw 教育省」は 協調的教育ツールや、 「零時通関(g0v Onboarding)」記事群、 インタラクティブゲーム「g0village」 などのプロジェクトに関わってきた。 2013年の終わりには、「g0v 小学校(Leve1up)」プロジェクトを発表した。 これはスキルツリーや実績システムなどの手法を使った、 新規参入者が段階的に活発な参加者となるためのガイドである。
関連する活動
OpenData.TW
青平台(Youth Synergy Taiwan)のCIOである張維志(Whisky Chang)により、2010年9月に創設された。 OpenData.TWはオープンデータに関する議論と推進のためのオンラインフォーラムで、台湾における最初期のものである。
多くの講演や普及促進プログラムによって、 このプロジェクトはオープンデータを取り巻く市民の期待と想像力に影響を与えている。
このプロジェクトの目指すところは「公的部門における透明性とコミュニティにおける情報共有を越えて、究極の目的として関連法規の修正をロビイングできる政策団体を形成し、オープンガバメントを達成することにある」。
Code for Tomorrow
徐子涵(TH Schee)、劉嘉凱(CK Liu)、陳映竹(Ying-Chu Chen)らにより2012年中頃に設立された。この準備委員会のミッションは ステークホルダーの交流を奨励し、新たな才能の育成と国際発展の促進などを含んでいる。
2013年、事務局はSYSTEXと連携し、公共心のある個人と団体に対するデータサイエンス訓練プログラムを開設した。
準備委員会は将来的に国際的なオープンナレッジ団体と連携する公的な財団法人として「Code for Tomorrow基金」を設立し、堅牢なエコシステムを構築することを望んでいる。
結論と展望
Code for America summitの基調講演にて、作家Clay Shirkyは次のように語った。「ハッカソンの成果物は動作するコードではない。参加者の間に築かれる社会関係資本である。」
それとは対照的に、台湾のデジタルネイティブ、BSS&Facebook世代は「小さな集団内で互いに馴れ合っている」という見方をされることが多い。このような見方はベテランの社会活動家にすら共有されている。
昨年1年間を通じて、我々はg0v.twにおいて、オンラインとオフラインのコラボレーションを実現する方法を示してきた。 過去20年以上に渡り自由ソフトウェアのコミュニティによって確立されたモデルに従い、 ソーシャルメディアをソーシャルプロダクションのためのプラットフォームに変容させた。 その鍵となるのは完全にオープンで中心のないフレームワークであり、「誰かがいなくなっても、いつでも別の誰かがその役割を引き受けられる」文化の育成である。
2014年に向けて、 我々はこのコラボレーションプロセスがより多くの人びとに対し、注意を払うべき課題を気づかせるとともに、 無力感を克服できるような強さを発展させるために、この協調的な場が使われることを期待している。 さらに情報の透明性に寄与する他の動きと連携することで、 我々はより良い、より賢明な未来を作り上げることを目指す。